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人生は今の連続、今が未来へつながりそして過去を作り出していく。 今をもっと楽しんでもらいたい。 そんな思いで綴る雑記ブログ。

Yahooニュースを見て就活について思うこと

今日はのんびり1日を過ごそうと会社をお休みしました。

晴れたら散歩でもして春探しにでも行こうと思っていたのですがあいにくの雨。

仕方なくYahooニュースを見ていたら「学生が面接官を5段階評価 採用面接時に導入」の記事が目に留まりました。

就活の話題が多く見られるようになると採用に関わっていた私にとって春だなぁと感じる瞬間。

今週のお題が「小さい春見つけた」と言うこともあり、今回は学生が面接官を評価すると言うニュースについて私の思うことを書きたいと思います。

学生が面接官を評価する側をアピールする狙いは?

大手商社の一つが2025年4月に入社する学生の採用面接から導入するのは、面接終了後に学生から面接官に対して5段階で評価する制度だそう。

評価項目としては面接の雰囲気や満足度、面接官の傾聴力、面接官のかかわりなどで、1次面接から最終面接まで全ての面接が対象とのこと。

あくまで学生の回答は完全匿名で採用結果には影響しないという仕組み。

面接官の質の向上のためにフィードバックし、採用活動の改善につなげることが狙いとは言うが・・・

最初に私がこの記事を読んだ時に感じたのは、これがきちんとデータとして面接官の質の改善につながるのだろうかという違和感でした。

満足度調査にはなるかもしれませんが、採用の改善につなげることが真の目的であれば

5段階評価と書かれているのでこの評価で面接官のどのような部分が学生にとっての不満だったのかの具体性に欠ける気がします。

それに今現在就活を頑張っている学生にとっては心の負担が増えるだけではないでしょうか。

学生に面接官評価は適切なのか?

私も長く採用面接に携わってきましたが、まず集団面接と個人面接ではまったく「場」の作り方が違います。

限られた時間の中でアイスブレイクから入り、こちらが知りたいこと、学生が知りたいことのかかわりを作る、これは毎回の面接違います。

また特に集団面接の場合においては学生側のメンバー構成によっても大きく「場」の雰囲気は影響を受けます。

なるべく事前のグルーピングで配慮をするものの、それでも全体を満遍なく公平に関われない「場」も生まれてしまうことがあります。

パッションの強い学生とそうでないどちらかと言えば思考型の学生が一緒になった場合など思考型の学生が雰囲気にのまれてしまうこともあります。

限られた時間でそこをフォローできればいいですが出来きれない場合もあります。

そのような場合は私自身は次のステップに通すかどうかとても悩んだりもします。

それくらい面接という仕事も見た目以上に神経を使います。

これらの質の向上は確かに大切です。

面接後に内省したり上司からフィードバックを受けながら力量を高めていきます。

それは面接する側の話なのですが、そのような企業側の質の向上を学生の皆さんにお願いするわけですが、学生の皆さんによっては数社面接を受けた方もいれば、御社が初めてですという方もいらっしゃる。

基準をどこに?とちょっと頭のいい学生さんなら迷いますよね。

あと、真剣に向き合って対話した後に「よければ満足度調査お願いします」はなんか今の学生の皆さんは大変ですね。

ランチの星評価とは違う気がするのですが・・・

また5段階評価でフィードバックして下さるわけですが、それでは面接官の何がよかった、悪かったが見えない。

 

大手企業なら母集団も多く、1次面接を面接官を入社数年目の社員が対応したりするとは思いますが、もしこれを画一的にこなしていると言うのであれば、もうその時点で面接に改善の余地ありではないでしょうか。

私からすれば、同じ面接官へのフィードバックとしての取り組みをするのであれば、部屋の隅っこに「キャリアコンサルタント」を数名配置し、その人達に面接官や面接の場を評価してもらえばいいのではないかと思います。

具体的に、どの面接時のどの場面でのやりとり、態度、傾聴がどうだったかとフィードバックしてもらう方が、学生からの5段階評価より面接官の質の向上に大いにつながると思います。

 

そもそも、学生の皆さんにとっても

「よし、私たちが評価されるのならあなた達はどうなの?」

と言う気持ちになる学生のかもしれませんが、やってみて感じると思いますが決して気持ちのいいものではありません。

高評価を書いても次の選考へ通らなかった、低評価を書いてスッキリして気持ちが晴れた、色々な感情が残るでしょう。

そしてそれって結局最後に虚しさを学生に残すことにならないでしょうか。

 

この学生が面接官を評価する仕組み導入のアピールは逆に、今は質が悪い面接があるかもしれないアピールになってしまっているようにも感じます。

本気で採用活動の改善につなげたいなら

面接官になる人の傾聴訓練やキャリアコンサルタント資格取得を促した方がいい。

もし、そんな時間的余裕がない、採用人材不足に悩まれているなら、面接のファシリテーションをプロに任せて、面接を終始聴く側に回るのも一つの手段かもしれません。

 

パートナーシップ型からジョブ型へ学生の就職への価値観も変わってきている中で、確かに今までの採用スタイルではいけないと思います。

そんな中で何かを変えようとされているこの会社のお取り組みは素晴らしいと思います。

なかなか現在のスタイルを変えられない企業よりはずっと変える力を持っている魅力的な会社だと思います。

今回はYahooニュースを見ただけなのでもっと細かな配慮と仕組みがあるのかもしれませんが、もう少し学生側に寄り添った取り組みをアピールされる方が「すごい!!」になるように感じた記事でした。

 

あくまで個人的な感想です。

 

本日もお読みいただきましてありがとうございました。