最近「リスキリング」という言葉を耳にすることが増えたような気がしませんか?
「リスキリング」言葉だけ聞いてもスッと言葉からうまく意味をつかみとりにくい方も多いかもしれません。
リスキー?リング?私も最初に聞いた時に何のことだろうとなりました。
内容を聞くと「そういうことね!!」となった言葉です。
そんなリスキリングについて今回は1人のキャリアコンサルタント視点で思うことを書いてみました。
リスキリングとは
リスキリングとは「Reskilling」Re・skill・ingで分けるとわかりやすく、次のように定義されています。
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」
働きながら必要な資格を取ったり、転職するために資格を取り直すこと?
そう捉えられた方もいらっしゃるかもしれません。
リスキリングはちょっとスタンスが違います。
ここでポイントは「リカレント教育」との違いです。リカレント教育は一般的に「働く→学ぶ→働く」のサイクルを回し続けることをいいます。その際、新しいことを学ぶために「職を離れる」ことが前提になっているのがリカレント教育です。
転職するために資格を取り直すことはリカレント教育になるでしょう。
一方、リスキリングは単なる「学び直し」とは違います。
ここでまたまた「アップスキル」との違いも述べておきましょう。
リスキリングはこれからも職業で自らの価値創出し続けるために身につける必要なスキルを習得、学ぶ点に注目されています。
働きながらスキルアップしていくことともこれまた似て非なる考え方なのです。
中高年ほどリスキリングが不可欠になってくる!?
最近はビジネスの在り方が変わってきています。
テクノロジーが進化して物質的、「物」を売ることが中心の時代ではなくなりつつあります。またDX(デジタルトランスフォーメーション)で企業がAI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を用いて、業務フローの改善や新たなビジネスモデルの創出する時代でもあります。
トヨタは車を売る会社でなく「モビリティー」を売る会社になろうとしています。
銀行も単にお金を貸す時代から情報を駆使して経営を支える支援が軸になっています。
企業のビジネスの在り方がもう変わってきており、これは中小企業へも波及していきます。変わらないと、昔からある仕事ほど持続可能ではなくなりつつある潮目にいる気がします。
この潮時をどう捉えるか、今までのやり方でない、マネジメント、ビジネスモデルが求められているにもかかわらず、今までのOJT方式のスキル習得や今までの経験による価値だけでは世界やライバルと戦えない時代なのかもしれません。
武士の時代の終わりのようなそれくらいのインパクトのある変化の中にもしかしたらいるとも言えるのではないでしょうか。
そんな中、若者は時代の流れに乗って適応していくことでしょう。しかし一定のスキルを積み重ねて地位を得た人達、言わば中高年の方々は少し「リスキリング」という言葉に注目、意識した方がいいのではないかと思います。
俺たちは管理職に徹する。「リーダーシップやマネジメントなどのソフトスキルを高めていけばいいんだよ」「デジタルスキルも大事だが人をまとめる人材も必要だろ」と少し気分を悪くされるかもしれませんが、そのスキルはスキルで大切にしながら、もう一つの武器を習得するというのはどうでしょう?
企業として生き残るために「リスキリング」に取り組む会社も増えてきました。しかしそれはまだ大企業の一部やDXに敏感なIT系の企業など一部です。
自分の仕事内容では関係ないと思ったり、伝統産業のような職業の方には縁遠いと感じられるかもしれません。
しかし人生100年時代とも言われセカンドキャリアについても考えを巡らすこともないでしょうか?
少しこの「リスキリング」という言葉に引っ掛かりを感じる方は
すぐにリスキリングとまではいかなくても、一度キャリアについて棚卸ししてみると新しい発見があるかもしれません。
本日はお読み頂きましてありがとうございました。