やる気が出ないのは、意志が弱いからじゃない
―― 多くの人が見落としている「スタート地点」の話 ――
「やろうと思っているのに、なかなか動けない」
「気合いを入れたはずなのに、次の日には気力が落ちている」
そんな感覚を覚えたことはないでしょうか。
多くの人は、ここで自分を責めます。
意志が弱いのではないか。
覚悟が足りないのではないか。
もっと本気にならなければいけないのではないか。
でも、日々の対話や関わりの中で感じるのは、
やる気が出ない原因の多くは、意志の問題ではない
ということです。

頑張ろうとすると、なぜか止まる。
前を向こうとすると、体が重くなる。
頭では分かっているのに、感情がついてこない。
このとき実際に起きているのは、
「サボっている」ことでも
「逃げている」ことでもありません。
今の自分の状態を置き去りにしたまま、未来へ行こうとしている
ただ、それだけのことが多いのです。
私たちは無意識のうちに、
「こうなりたい自分」
「こうあるべき自分」
を先に置きます。
前向きで、成長していて、ちゃんとやっている自分。
そのイメージ自体は悪くありません。
けれど、そこに向かう前に、今の自分がどんな状態なのかを確認しないまま進もうとすると、どこかで無理が生じます。
心の中では、疲れが残っているかもしれない。
整理できていない感情があるかもしれない。
本当は立ち止まりたいサインが出ているかもしれない。
それを見ないまま「やるぞ」「進むぞ」と言葉だけを前に出すと、体や感情がブレーキをかけます。
それが、「やる気が出ない」という感覚の正体です。
ここで大事なのは、無理に自分を奮い立たせることではありません。
まず必要なのは、今、どこに立っているのかを知ることです。
走りたいのか。
歩きたいのか。
それとも、少し休みたいのか。
この確認を飛ばしたままでは、どんな目標も、どんな計画も、自分の中に根づいていきません。
私はこの「スタート地点」を、とても大切にしています。
だから、対話の中でいきなり未来の話をしないこともあります。
目標や計画を急がないこともあります。
代わりに、
「今、どんな感じがしますか?」
「その言葉を言ったとき、体はどう反応していますか?」
そんな問いを重ねます。
すると多くの場合、
「実は少し疲れていました」
「本当は迷っています」
「焦っていただけでした」
という声が、ぽつりと出てきます。
ここが、出発点です。
ハッピーライフレインボーという考え方は、この出発点を丁寧に扱うために生まれました。
虹が架かる前というのはモヤがかかっているものです。
何かを達成する前に、自分を変えようとする前に、今の感覚に気づくこと。
感情と認知が揃っていない状態で、言葉だけを積み上げないこと。
そうしていくと、無理に前向きにならなくても、自然と視線が前に向いてくる瞬間があります。
それは、気合いや根性とは違う動き方です。
ハッピーライフレインボーという考え方をもっと知って頂きたくて、定義や理論ではなく、日常で実際に起きている現象を通して少しずつ言葉にしていきます。
特別なノウハウや、すぐに使える答えを提示する連載ではありません。
ただ、
「動けないときに、自分を責めなくていい」
「ここから始めていい」
そう感じてもらえる視点を、
静かに積み重ねていきたいと思っています。
次回は、
なぜハッピーライフレインボーはツールやシートに見えてしまうのか
という誤解について書く予定です。
本日もお読み頂きましてありがとうございました。