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人生は今の連続、「今」の捉え方、行動が変われば未来は変わる。 そんな「気づき」になれる雑記ブログを書いています。

『ファスト&スロー』を読んで気づいた。僕の人生は「5,000円アンカー」に縛られていた

「ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』」という本を知っていますか?

脳科学やその界隈ではそこそこ有名な書籍です。もう10年近く前に初版が発行されていますので、そこまで新しい本ではありません。

ただ、この本はかなり読みづらい。本の厚さもさることながら(上下巻あります)、内容も決して軽くありません。でも、自分を変えたいなら、読む価値はあると思います。なぜかというと、“自分の頭の中で起きていること”が言語化されています。

この本が伝えていることをものすごくざっくり言うと、「人間の思考には2つのモードがある」ということ。ひとつは、瞬時に判断するシステム1=ファストな思考もうひとつは、時間をかけて論理的に考えるシステム2=スローな思考

私たちは理性的に判断しているつもりでも、その多くはシステム1、つまり直感や思い込みによる“瞬間的な判断”で動いています。

そして厄介なのは、そのシステム1がしばしば間違った判断を下すということ。しかも本人は「自分の判断は正しい」と信じ込んでいる。しかしこのシステム1があるから私たちはこの膨大な情報社会を生き抜けているわけで、両方が必要なシステムです。ただこのシステムの存在を知っているか、それを知らずにいるかでは自分の人生に大きく影響すると思います。

たくさんの私たちの思考に関する理論や仕組みが記載されており、どれも面白く、そして勉強になるのですが、今回はその中の一つ、アンカリング効果(Anchoring Effect)について取り上げたいと思います。

あなたも私と同じようなアンカリングで人生を損しているかも知れませんよ。


● アンカリング効果って何?

アンカリングとは、最初に見た数字や情報が無意識に基準(アンカー=錨)になり、その後の判断を左右してしまう現象です。たとえば、定価10万円の商品が「今日だけ5万円!」と言われると、本当は5万円でも高いはずなのに、なぜか安く感じてしまう。給料の交渉や中古品の値段交渉なども、最初の数字でほぼ勝負が決まると言われます。

つまり私たちの判断は、合理的な計算ではなく、「最初に置かれた数字」という“錨”に引っ張られていることが多いのです。


● 僕の中の「5,000円アンカー」

実は、思い返してみると、僕の中にはずっと“5,000円”という謎の基準がありました。

・飲み会の会費が5,000円を超えると、「高いな、今回はやめておこうかな」と感じる
・欲しい物が6,000円だと「もう少し安いのでいいや」とランクを落とす
・食事も「1人5,000円を超えるなら贅沢」という感覚が常にあった

今振り返れば、それは節約でも倹約でもなく、単なるアンカリング(思考の固定化)でした。学生の頃に覚えた「飲み会は4,000〜5,000円くらい」「服は5,000円以内で十分」という感覚が、その後ずっと判断の基準になっていた。
カーネマンが言うアンカリング効果は本来もっと瞬間的な現象だけれど、僕の場合はそれが“価値観”にまで育ってしまった感じです。

本当に欲しかった服をわざわざ妥協して買った結果、すぐ着なくなって後悔したこともある。会社の飲み会も、「5,000円超えるかどうか」が気になり、まぁいいかと思う。何よりも、“お金の価値”ではなく“自分の中の数字”が人生の選択を決めていたということに気づいた時、少しショックを覚えました。


● 思考のクセが人生をつくる

カーネマンは本の中で、「アンカーは意識しても消せない。けれど、気づくことはできる」と言っています。大事なのは、アンカーを完全になくすことではなく、「今の判断は自分の価値観なのか?それとも数字に縛られた反応なのか?」と立ち止まること。

僕は長い間、“5,000円の壁”を基準にしていたせいで、たくさんの機会や経験を手放していたのかもしれません。でも、今はそのアンカーを上げ下げできるようになりました。

金額より、そこで交わせた会話や繋がった関係のほうが、よっぽど価値があったなと。


● 最後に:あなたにもアンカーはありませんか?

・「○歳までに結婚していなきゃ」
・「年収○○万円じゃなきゃ不安」
・「ランチは1,000円以内」
・「残業は1日2時間までが普通」

もしかすると、それも“誰かが置いた数字”や“過去の自分が決めた錨”かもしれません。

あなたの今の選択や価値観は、あなた自身が本当に望んだものですか?
それとも、気づかないうちに誰かが置いたアンカーの影響を受けていませんか?


僕にとって『ファスト&スロー』は、ただの心理学の本ではなく、自分の「思考と人生のハンドル」を取り戻すための1冊です。難しいけれど、それだけ価値のある本だと感じています。

中古でも売っているのでお値打ちに買える書籍だと思います。

もしよかったら読んでみて下さい。

読みにくいけど。パラパラと気になるところを読み、あとは生成AIににサポートしてもらえばいいかもです。

 

本日もお読み頂きましてありがとうございました。