活用できるネットワークの整理と社会的支援機関まとめ
今回はキャリアコンサルティング技能士1級の論述試験勉強として問3で問われる活用できるネットワークについて注目してまとめてみようと思います。
これは1級の試験だけでなくキャリコン、技能士2級でも役立つかと思いますのでキャリコンを勉強されている方は読んでいただけると何かのヒントになるのではないかと思います。
キャリアコンサルタント技能士1級の論述試験ではクライアントの課題に対して「どのようなネットワークを活用できるか」を問う問題があります。
支援者として、自分の専門領域を超えた支援をどうつなげるか・・・。
この「ネットワークの理解と活用」はキャリアコンサルタントとして、自分一人で対応するのではなく適切な機関との連携サポートする役割としても重要ポイントの一つです。
今回は、 活用できるネットワークの全体像(ミクロ・メゾ・マクロ) を整理し、特にマクロ(社会的ネットワーク)に注目して、具体的な相談事例と活用できる支援機関をまとめてみました。

1. ネットワークの3層構造
① ミクロ(個人レベル)
家族、友人、上司、同僚、メンターなどの身近な人間関係。
クライアントにとって心理的な支えとなる存在であり、初期のサポートや自己理解を促す場面で重要です。相談者のそばにいながら意外に相談してませんってことあります。
何を相談するの?って感じですがそうかとなればこれほど心強いサポーターはいませんのでぜひそのような方達もネットワークとして相談できますよっていう新しい認知をフィードバックできるといいですよね。
② メゾ(組織・地域レベル)
企業や団体、地域の中でのネットワーク。
人事部門、産業医、EAP、地域のキャリアセンターやNPOなど、組織や地域単位での支援がここに含まれます。
特に上司には相談したけど、人事には言ってないとか、大手などではしっかりとした産業カウンセラーが設置されているにもかかわらず外部の機関に直接相談に来ている、学生で言えばキャリアセンターは行ったことがないけど大手サイトの口コミなどはきにしてみているなど聞いていると多いです。確かに社内に相談するとなんか自分に悪く影響するのかもというバイアスや、自分の学校にある情報なんて知れているという思いがあるかもしれませんが、むしろプラスに働く場面もありますのでそのような観点でフィードバックしたいですね。
③ マクロ(社会レベル)
国や自治体が設置・委託して運営する公的支援機関。
教育・福祉・雇用・法務など、複数分野を横断する社会的資源であり、キャリアコンサルタントが「社会とつなぐ橋渡し」を担う場面で欠かせません。
しかしそもそもどんなサービスがあるのか知らない人、民間でお金がかかるからと敬遠している人など結構います。国の機関などを利用すればフォローも受けられるのでそこはしっかりと案内したいですね。
2. 事例別にみる社会的ネットワークの活用
ここからは、5つの典型的な相談事例を想定し、それぞれに対応する全国レベルの公的支援機関を整理しました。
リンク先を確認しながら学ぶことで、試験対策にも実践にも活かせる理解が深まります。
① 就職経験が少なく社会に出るのが不安な若者
「正社員になりたいけれど、面接が怖くて踏み出せない」
「働きたいけれど何から始めればいいのかわからない」
活用できる社会的ネットワーク
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地域若者サポートステーション(サポステ)
15〜49歳の若年層を対象。カウンセリング、職場体験、職場定着支援など、就労に必要なステップをトータルで支援。 -
ジョブカフェ(若年者就職支援センター)
都道府県が運営。キャリア相談、企業説明会、職業紹介など、実践的な支援が受けられる。 -
ハローワーク(ヤングハローワーク)
既卒・第二新卒など若者向け窓口があり、求人紹介や応募書類添削のサポートを受けられる。
② 50代以降のキャリア再設計や定年後の働き方
「50歳を過ぎて転職したいが、自信がない」
「定年後も働きたいが、どんな選択肢があるのかわからない」
活用できる社会的ネットワーク
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産業雇用安定センター
企業間の出向・再就職支援を無料で実施。再雇用を見据えたキャリアマッチングに強み。 -
高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)
職業能力開発校の運営や高齢者向けの就業講習などを行い、再就職へのスキルアップを支援。 -
ハローワーク 高齢者窓口
高年齢者向けの求人情報や職業訓練を紹介。地域の再雇用制度にも詳しい。
③ 育児や介護など家庭との両立に悩む人
「子育てが落ち着いたので再就職したい」
「親の介護と仕事を両立できる働き方を探したい」
活用できる社会的ネットワーク
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マザーズハローワーク・マザーズコーナー
育児中・再就職希望者向けの専門相談窓口。託児スペース付きの施設もある。 -
両立支援等助成金・地域両立支援推進チーム
企業側の制度づくりも支援するため、職場環境改善にもつなげやすい。 -
各自治体の男女共同参画センター(例:東京都女性しごと応援テラス)
キャリア相談、再就職セミナー、両立支援セミナーなどを定期開催。
④ 精神的・身体的なハンディを抱える人の就労支援
「発達障害があり、職場での人間関係が不安」
「うつ病の再発が心配で復職に踏み出せない」
活用できる社会的ネットワーク
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障害者職業センター(JEED運営)
職業評価、職場実習、定着支援を一貫して実施。職場への助言も行う。 -
ハローワーク障害者専門援助部門
障害のある方に特化した職業紹介・職場定着支援を実施。 -
地域障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)
就業と生活を一体的にサポートし、医療・福祉・教育機関と連携。
⑤ 離職・経済的困窮・生活再建に悩む人
「離職して生活が苦しい」
「住む場所もなく、立て直すきっかけが欲しい」
活用できる社会的ネットワーク
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自立相談支援機関(生活困窮者自立支援制度)
自治体が設置する相談窓口。生活再建や就労支援、家計相談まで一貫支援を提供。 -
社会福祉協議会(社協)
生活福祉資金貸付制度、ボランティア支援、地域見守りなどを展開。 -
法テラス(日本司法支援センター)
債務、離婚、労働問題など、法的支援が必要な場合に無料相談を受けられる。
3. まとめ:社会的ネットワークをつなぐ力が1級の本質
キャリアコンサルタントは、「自分一人で支援を完結させない」ことが専門性です。
クライアントの課題を社会的文脈で捉え、必要に応じて適切な機関につなげること。
それが、1級論述で問われる「活用できるネットワーク」の真意です。
💡 ポイント:
「クライアントの状況 × 適切な社会資源 × 連携の理由」を明確に書くことで、論述に深みが出ます。
守秘義務・本人同意・連携目的の明確化も忘れずに。
本日もお読み頂きましてありがとうございました。