「自分を変えたいのに、何をどうすればいいかわからない」
「目標を立てても、いつの間にか日常に流されてしまう」
そんな経験はありませんか?
私たちは「変わりたい」と願いながらも、気づけば同じパターンの中に戻ってしまいます。
頑張っても続かない。何かが空回りする。
これについて前回は「意志」の力について書きました。
そこでも少し触れましたが、それは、あなたの意志が弱いからでも、行動力が足りないからでもありません。
根本的な原因は、もっと手前にあります。
それが 「意図」 の欠如です。
今回は「意図」についスタンフォード式『Designing Your Life』をベースにまとめてみました。

■ 人生に必要なのは、正解よりも「意図」
『スタンフォード式 人生デザイン講座(Designing Your Life)』は、スタンフォード大学の人気講座をもとにした一冊です。2016年に出版されており、10年近く前の本ではありますが、原則的な内容は今も色褪せていません。
本書が伝える最も大切なメッセージのひとつが、
「人生にはたった一つの正しい道はない。だから、自分で“意図的に”デザインするのだ。」
という考え方です。
私たちはつい、「何を選ぶか」「どうすれば成功するか」といった“答え探し”に集中してしまいます。
けれど、その前に必要なのは「なぜそれを選ぶのか?」という意図の明確化です。
この「意図」が、自分らしい選択を可能にし、人生のブレない軸となってくれるのです。
■ 意図がないと、無意識があなたの人生を決めてしまう
多くの人は、自分の人生を“自分で選んでいる”と思っています。
でも実際には、無意識や過去の思い込み(ビリーフ)が意図を勝手に設定し、それに従って惰性で生きていることが多いのです。
たとえば、
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「失敗してはいけない」
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「人に迷惑をかけてはいけない」
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「安定していることが正しい」
こういった信念が、自分の行動や選択の背後で“隠れた意図”として働いていれば、どれだけ外見上努力しても、内側ではブレーキがかかってしまいます。
だからこそ、改めて「自分にとっての本当の意図」を言語化することが、自分を変えるための第一歩なのです。
■ Designing Your Lifeで行う「意図の棚卸し」
この本が面白いのは、意図という抽象的な概念を、具体的なワークによって可視化していく点です。
なかでも重要なのが以下の2つです。
◉ Work View(仕事観)と Life View(人生観)
「あなたは何のために働くのか?」
「そもそも人生とは、何のためにあると思うか?」
この2つの問いに対する自分なりの答えを文章で書き出し、
その一致点や矛盾点を見つめ直します。
これによって、あなた自身の価値観に基づいた“意図の土台”が明らかになります。
たとえば…
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「成長したい」という意図があるのに、ルーティンワーク中心の部署に自ら手を挙げて異動していた
→「今は忙しいから、落ち着いた仕事がいい」と自分に言い聞かせていたが、本当は変化を恐れていたことに気づいた。 -
「人の役に立ちたい」という意図があるのに、営業ノルマを達成することだけが評価される職場で、顧客より上司の顔色をうかがう毎日になっていた
→「会社に貢献することが正しい」と思い込んでいたが、実際は顧客の笑顔にやりがいを感じていた。 -
「自由に働きたい」という意図があるのに、リモートワークの話があっても「周囲にどう思われるか」が気になって遠慮してしまった
→ 無意識に「空気を読む」ことが自分の意図になっていた。 -
「自分のアイデアをカタチにしたい」という意図があるのに、周囲に反対されそうな提案は出さず、無難な意見ばかりを通していた
→ 「評価されないと意味がない」という思い込みが、創造性を押し殺していた。
これらの事例からもわかるように、「自分はこう生きたい」という意図と、実際の行動の間にギャップがあることは決して珍しくありません。
そしてこのギャップこそが、
「本当の自分ではない誰かを生きている」
という違和感や、生きづらさの原因になります。
Designing Your Lifeのワークは、このギャップをあぶり出し、あなたの“ほんとうの意図”を見つけ出すための鏡となるのです。
◉ オデッセイ・プランニング(3つの人生を描く)
次に出てくるのが名物ワーク、「オデッセイ・プランニング」。
① 今の延長線上にある人生
② 全く違う道を選んだ場合の人生
③ 何の制限もなかったら選ぶ人生
この3つの人生プランを描いてみると、「自分が本当に意図している未来」が浮かび上がってきます。
これは単なる妄想ではなく、意図を視覚化し、実際に試してみる「プロトタイプ」の第一歩です。
■ 意図があると、選択と行動が変わる
意図が明確になると、日々の小さな選択にも変化が起きます。
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迷わなくなる
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他人の評価に振り回されなくなる
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自分の選んだ道に意味が宿る
逆に、意図がないと、どれだけ環境を変えてもまた同じ悩みに戻ってしまいます。
「なんとなく選んだ」は、必ず「なんとなく生きる」につながるからです。
■ Decode Your 7 Needsコーチングにおける「意図」
私が提供している Decode Your 7 Needsコーチングでは、「感情に気づけば、願望が動き出す」というコンセプトのもと、意図・感情・ニーズの3つを統合して扱っています。
中でも「意図」は、7つの鍵の中でも最も根本的な役割を担っています。
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意図が曖昧だと、ニーズも行動も迷子になる
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意図が明確だと、感情や無意識さえも動き出す
Designing Your Lifeで語られる「問い続ける力」「プロトタイピングの姿勢」は、まさにそのままコーチングに活かせる視点です。
■ まとめ|意図は未来の最初の一筆
目標を持つ前に、まず「意図」を持つこと。
行動を始める前に、「なぜそれをしたいのか」を問うこと。
意図とは、人生のスタート地点に立つときに書く、未来の最初の一筆です。
それを自分の手で書くことなく、ただ流されて生きていけば、きっとどこかで迷い、立ち止まってしまいます。
「私は、何を意図して、この人生を生きているのか?」
この問いに、あなたなりの言葉で答えてみてください。
それがきっと、あなたを変える最初の一歩になるはずです。
🧭 コーチングのご案内
自分の意図を明確にしたい、自分らしい人生を歩みたい――
そんなあなたのために、Decode Your 7 Needsコーチングでは「意図の言語化」から丁寧にサポートします。
感情、潜在意識、価値観を統合して、あなた自身の「未来の地図」を描いていきましょう。
小さな一歩が、人生を変える大きな力になります。
本日もお読み頂きましてありがとうございました。