未来につながる『今』をもっと楽しく。

人生は今の連続、「今」の捉え方、行動が変われば未来は変わる。 そんな「気づき」になれる雑記ブログを書いています。

あなたの仕事は利己的共感になっていませんか?

仕事ができるとかできないとかいう話、これはよく飲みの席などでも盛り上がる話題でもあります。

そして仕事ができない人について考えるとき、「自分軸が強すぎる」「自己中心的だからうまくいかない」といった指摘をよく耳にします。

確かに、自己中心的な考え方が行動の妨げになることはあります。

しかし、実はそれだけではなく、「利己的共感」が影響しているケースも多いのです。

「利己的共感」という言葉はあまり聞き慣れないかもしれません。これは、他人の気持ちを理解する力はあるものの、最終的には自分の負担を避ける形で行動するという状態を指します。

こんにちはセカンドキャリアプランナーのコーチャです。

今回は、この「利己的共感」が仕事のパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、そしてどのように改善していけばよいのかをテーマにしたいと思います。

仕事ができない人の「利己的共感」とは?

仕事がうまくいかない人の特徴として、「チームのために頑張りたい」と口では言うものの、実際の行動が伴わないということがあります。

例えば、次のようなケースです。

- 「チームを笑顔にしたい」と言うが、では何をするのかと聞くと、まず自分の負担を減らしてもらいたいと答える。
- 仕事の優先順位を決める際に、他人の都合は考えるが、結局自分の快適さを最優先にしてしまう。
- 人の相談には乗るが、実際のフォロー業務は誰かに任せる。

このような行動は、一見すると「周りを考えているようで、自分の都合を優先している」状態です。これが 「利己的共感」の典型的なパターンなのです。

そもそも利己とはなんでしょう。

すごく簡潔に説明すると利己とは「自分の利益を優先すること」、それに対比して利他という言葉もありますがこれは「他人の利益を優先すること」です。  

利己的な行動は、自分の満足や成功を目的とし、時に他者の犠牲を伴うこともあります。一方、利他は他者の幸福や成長を考え、見返りを求めずに行動することです。困っている人を助けたり、他人の成功を喜ぶ姿勢が含まれます。  

しかし、本当の利他は自分を犠牲にすることではなく、自分と他者の幸せが共に成り立つバランスを見つけることでもあります。

そして利己的であることが必ずしも悪いわけでもありません。

自分の幸せや成長を大切にすることも必要です。重要なのは、「自分の利益を求めつつも、他者を尊重できるか」というバランスです。

なぜ「利己的共感」が仕事の足を引っ張るのか?

「利己的共感」が強い人は、表面的にはチームワークを意識しているように見えますが、実際には以下のような問題が生じます。

 1. 行動が伴わないため、信頼を得にくい

「チームのために」と思う。これ結構真剣に本人は思っている。そしてそれを自信を持って言葉にしている。しかし実際には行動が伴わないため、周囲からの信頼を得られません。結果的に、「あの人は口だけだな」と思われてしまい、仕事のチャンスも減っていきます。

2. 責任回避の傾向がある

相手の状況に気づかない、鈍感なわけではない。むしろ気づいている。

しかし意識より潜在意識で「助けたい気持ちはあるけれど、実際に自分が負担を負いたくない」という心理が働くため、結果的に責任を回避する行動につながります。「私も頑張ったけど……」と責任転嫁しがちになり、評価を下げる原因になります。

3. 成長の機会を逃しやすい
困難なことを避ける傾向があるため、スキルアップの機会を逃しがちです。自分が成長するためには、一定の負担やチャレンジが必要ですが、それを回避してしまうことで、結果的に仕事の能力も上がらず、停滞してしまいます。

仕事だけじゃない!家族関係にも影響する「利己的共感」

実はこの「利己的共感」は仕事だけでなく、家庭内でも問題になっていることがあります。

例えば、「家族を喜ばせたい」と思っているのに、実際の行動が伴わず、パートナーにがっかりされるケースです。

夫が「妻を笑顔にしたい」と考えながらも、実際には自分の負担を減らすことばかりを優先し、家事を手伝うフリをして実際には負担をかけている、という状況はよくあります。また、「手伝おうか?」と聞いておきながら、本当に必要な手伝いをせず、妻の不満を募らせることも。他にも「どこか出かけたい」の要望に応えようと色々考えるけど、当日無口だったり、それが表情や態度に出てしまっていて返って家族をガッカリさせているなど。

本人は真面目に「家族のため」と思っているけれど、結果的に自分が楽な選択をしてしまうのが「利己的共感」の特徴です。

このような状況を改善するには、仕事と同じように、具体的な行動を意識することが大切です。「家族を喜ばせたい」という気持ちを持つならば、それを言葉だけで終わらせず、「家事をひとつ引き受ける」「自分から気づいて動く」「一緒にわくわくして過ごす」など、小さな行動に落とし込んでいくことが重要です。

どう改善すればいいのか?

「利己的共感」が強い人が仕事をうまく進めるためには、周りや自分の「負担を避ける」という思考ではなく自分が周りのために「どこまでならできるか」を意識することが大切です。

1. 「チームのために」と言った後に、具体的な行動を決める

- 「チームを笑顔にしたい」と思ったら、「じゃあ、具体的に何ができる?」と自問し、そのために自分はどこまでできるのかを考えてみましょう。
- 例えば、「自分の分を負担してもらっているからみんなの負担を下げるために自分ができることを代わりに受ける」「笑顔が出る状態、どんな瞬間みんなが笑うのかを観察しその状態を作り出せるように行動する」といった具体的な行動を考えることが大切です。

2. 「負担」ではなく「貢献」と捉える

- 「余計な負担が増える」と考えている自分に気づき、「自分ができる範囲で貢献できることは?」と考える思考に切り替えることを意識する。
- 例えば、「この仕事を引き受けることで、自分のスキルも上がる」といった視点を持つことも、自然と行動しやすくなります。

3. **少しずつ「行動のハードル」を上げていく

- いきなり大きく変わるのは難しいので、「今日は1つだけチームのために行動する」と決めてみましょう。
- 例えば、「誰かが困っていたら、1回は手を差し伸べる」といった小さな行動から始めることで、徐々に自分の意識も変わっていきます。

利己的共感を乗り越えて、仕事のパフォーマンスを上げよう

「利己的共感」は、決して悪いものではありません。

他人の気持ちを理解できるのは、むしろ良いことです。

その気づきや共感する力が基本的に持ち合わせているので相手の立場に立った行動や言葉がけができる人です。

自分自身がしたいと思ったことが相手の要望と合致している時はとても気が利く人、思いやりのある優しい人と思ってもらったり、愛されるでしょう。そんなあなたを相手も好きになったのだと思います。

しかし利己的共感状態になると相手はむしろそんなあなたの良さを知っているからこそ、そうでない態度に「なぜ!?」と困惑し、そして苛立ちへ変わっていくのです。

利己的共感は自分の「したい」「してあげたい」を優先し、それを相手も絶対望んでいるという気持ちでいることが多いです。

✔ 何ができる?の自問に対して、自分なら・・・ではなく〇〇さんのためにと主語を変えて考えてみる。
✔ 何かすることが「増える」、「負担」ではなく「感謝」と考える。
✔ 一気に気持ちを切り替えられないので少しずつ行動を変える

これを意識すれば、「利己的共感」が仕事の妨げではなく、チームにとっての強みに変わるはずです。

できることから始めていきましょ!!

 

本日もお読み頂きましてありがとうございました。