未来につながる『今』をもっと楽しく。

人生は今の連続、「今」の捉え方、行動が変われば未来は変わる。 そんな「気づき」になれる雑記ブログを書いています。

お金持ちになりたいのにお金が貯まらない理由

「お金持ちになりたい!」そう願っているのに、なぜか現実はお金が足りないまま…。こんな経験はありませんか? 実は、脳の仕組みを理解すると、その理由が見えてきます。

こんにちはセカンドキャリアプランナーのコーチャです。

今回は「脳は逆に動く」という特性をテーマに、お金と願望の関係について解説します。これはお金のことに限りません。幸せになりたい。夢を叶えたい。新しい自分に生まれ変わりたい。それらが実現しない理由がわかります。

脳は対比を作りたがる

人間の脳は、単独の概念よりも「比較」によって物事を理解します。たとえば、
- 「明るさ」は暗い場所があるからこそ認識できる
- 「速さ」は遅さがあるからこそ比較できる

この性質は、お金に関する願望にも影響を与えます。つまり、「お金持ちになりたい!」と強く願うと、脳はそれを理解するために、対比として「今はお金がない状態」を無意識に想定してしまうのです。

脳は常に基準点を持ちたがる性質があり、何かを認識するときにはその対比となるものを作り出します。たとえば、「幸せになりたい」と思うと、脳は「今の状態は幸せではない」と無意識に認識し、それが現実として強化されてしまいます。また、「成功したい」と願うと、現在の自分は成功していないという前提が生まれ、それが行動や選択に影響を及ぼすこともあります。つまり、脳は目標を設定する際に、その裏側にある「現状の不足」にもフォーカスしてしまうのです。

「お金持ちになりたい!」は逆効果?

脳は未達成のゴールを維持しようとする性質があります。つまり、「お金持ちになりたい!」と願うことは、「まだお金持ちではない」状態を強化することになり、結果として「お金が足りない現実」を作り出し続けるのです。

やばくないですか?

お金持ちになりたいと願うほどになりたい状態を作り出すがために脳はお金のない状態にしようと思考し、それが行動となる。結果、いつまでもお金持ちになりたい!!という状態を実現化させるのです。

これは、ダニエル・ウェグナーの「ホワイトベア実験」にも通じる現象です。

この実験は「白くまのことを絶対考えないでください」と言われると、逆に白くまのことを考えてしまう。それは「白くまのことを考えてください」と言われた人よりも白くまのことを頻繁に考えていたという実験結果になったそうです。

このように、「お金持ちになりたい」という願望を持つほど、「今はお金がない」という意識が強くなり、無意識にその現実を維持しようとするのです。

解決策:「すでに豊かである」と感じる

では、どうすればいいのでしょうか?

ポイントは、「なりたい」ではなく「すでにそうなった」と感じること です。

❌ 「お金持ちになりたい!」

⭕ 「私はすでに豊かで、お金を自由に使える生活をしている!」

このように、すでに叶った状態を前提として考えることで、脳は「不足」ではなく「満たされた状態」を基準とするようになります。

そうすると、「お金がない」という対比を生み出す必要がなくなり、結果として現実もその方向へ変わっていきます。

また、視覚化や感情を伴うイメージングも効果的です。

例えば、「理想の生活をしている自分」を具体的に思い浮かべ、それをリアルに感じることで、脳がその状態を「現実」と認識しやすくなります。

さらに、日常生活の中で小さな「豊かさ」を意識的に見つける習慣を持つと、脳は「私はすでに豊かだ」という認識を強め、それに見合った行動を促します。

加えて、言葉の使い方も重要です。「お金が欲しい」と言うのではなく、「私は必要なお金がすでにある」と言い換えるだけでも、脳の受け取り方が変わり、無意識のうちにポジティブな行動を引き寄せることができます。

アウシュビッツ生存者の思考にも共通する法則

この考え方は、過酷な環境を生き延びた人々の思考パターンとも共通しています。

心理学者ヴィクトール・フランクルは、ナチスの強制収容所を生き延びたたった数百人の一人としての経験をもとに、「なぜ我々は生き残れたのか」を研究し、驚くべき発見をしました。それは腕力があった人たちだったわけでも、お金を持っていたことが理由でもなかったのです。

彼はそれを著書『夜と霧』で次のように述べました。

「人間は、未来に意味を見出すことで生きる力を得る」。

極限状態の中でも、「自分には未来がある」「この経験にも意味がある」と信じた人々は、絶望することなく生き抜くことができました。逆に、「希望を失った人」は、心身ともに衰弱し、生存率が低くなったと言われています。

「何のために」という目的が力強い生命力となったのです。

これは、お金や成功の話と同じ構造です。「いつか豊かになりたい」と願うのではなく、「すでに豊かである」と信じることで、現実がその方向に変わっていくのです。

脳の仕組みを味方につける

脳は「比較」によって物事を理解し、無意識のうちに不足を生み出す性質があります。そのため、「お金持ちになりたい」と願うことが、逆に「お金が足りない現実」を強化してしまうのです。

しかし、この仕組みを理解すれば、意識的に「すでに豊かである」と感じることができます。イメージングや言葉の使い方を工夫することで、脳が「すでに理想の状態にある」と認識し、それにふさわしい行動を引き出すことが可能になります。

私たちの思考は、未来を形作る大きな力を持っています。

だからこそ、望む現実を作るために、脳の仕組みを理解し、活用することが大切なんです。

 

本日もお読み頂きましてありがとうございました。