あなたが上司や先輩になって部下や後輩を持ったとき、その部下や後輩のために何かできることをしてあげたい。そんな気持ちでつい「わからないことがあったら何でも聞いてね」と声をかけていたりしませんか。
きっと、社交辞令ではなく、本気で寄り添うつもりでかけている言葉であると思いますが、実はこの「何でも聞いてね」は親切ではない対応です。
部下や後輩も持つ方でかかわりに悩まれている方のヒントになればと思います。
優しさは誰のため?
働き始めて部下や後輩を持つことになった人、管理者となった人が抱える悩みは部下や後輩の育成ではないでしょうか。
今回はコーチングの視点で部下や後輩のかかわり方についてお話ししてみたいと思います。
できることなら人間関係において多くの人が「素敵な人」と思われたいと思うはずです。自分の部下や後輩から慕われる上司や先輩になれたら気持ちがいいですよね。
でも、そんな優しい素敵な上司や先輩を目指して頑張っているのに、相手は何だか心を開いていない気がする、そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしかして、「わからないことは何だって相談してね」とか「いつでも相談のるよ」なんて声かけをしていませんか?
この声かけ、実は親切そうに見えて結構部下や後輩は戸惑ってしまう声かけなんです。
「そんなことはない、本気で何だって一緒に考える気持ちでいる」
そう反論されるかもしれません。
こんなこと思ったりしませんか?
どんなことでも聞いてくる部下や後輩に
「なんでも聞いてきてえらいな、そして私もそれに答えてあげれる。だから彼、彼女は伸びるんだよね。お互いにモチベーションが高めあえる関係ね」
一方、
「私は些細なことだって何でもあなたと向き合う姿勢なのに、何一つ質問しないあの部下、後輩はだからダメなのよ」
きっと、何でも相談に乗るというのは本当だと思います。
しかし、実は部下や後輩の多くはそもそも質問の仕方がわからない、まだ何に悩んでいるかがしっかりと理解できていないことに悩んでいることが多いのです。
だから「何でも聞いてね」には何を質問したらいいかがわからないのです。
そして質問できる部下や後輩はもはや情報収集力があり、あなたがいなくても問題解決ができるスキルを身につけている可能性も高いのです。
少しきつい言い方をすると「何でも聞いてね」は誰にでも言える言葉であり、個々に対して向き合ってない自分に優しい声かけです。
部下や後輩を育成するのであれば、ほんの少しでもいいのでその相手と個として向き合う姿勢を示すことが大切です。
個人をしっかり観察していれば、例えば「営業の後には少し話す時間を持とう」だとか「書類をお客に送る前には私に見せてね」と具体的な声かけができます。
そうすれば今まで質問したくてもできなかった部下や後輩があなたに声をかけてくる頻度が増えるはずです。
もちろん、言葉だけでなく態度も大切なので話すときは先輩、後輩のスタンスではなく対等を心がけることも大切ですね。
何だか、上司、先輩は気を使うことが増えるので辛いですね。
それでもやっぱり寄り添った部下や後輩が成長する姿は嬉しいですよね。
そう感じる方は素敵な上司になれると思います。
思いが通じる言葉にちょっと変えてみる、たったその工夫で今が変化し始めます。
明日あなたは部下、後輩になんて声かけをされますか?
本日もお読み頂きましてありがとうございました。