前回、社会人基礎力について書かせていただきました。
今回はその社会人基礎力をどのように高めるのか、12もある力のうち何から取り組むべきなのかについて私の考えをお伝えしたいなと思います。
経済産業省が2006年に提唱した「社会人基礎力」は「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されています。
が、私が勝手にこれらを一度分解し、かなりシンプルに関連性をマップにしたのが下の図です。
現実ではそれぞれの力が場面、状況で複雑に絡み合いますが、わかりやすく理解して頂くためにかなり単純に関係性を私なりに図式化したものであることをまずはご理解頂けると幸いです。
社会人基礎力が育つために必要な要素は「興味」
私はコーチングの中でクライアントの「社会人基礎力」の分析を行います。
それは社会人基礎力が目標達成のPossessionの一つだと思うからです。
前回はその社会人基礎力を円グラフにした時、その左半分が重要だと考えていますとお伝えしました。(詳細が気になる方は過去の記事をご覧ください)
さて、そうするとコーチングをする中でよく「どうやって社会人基礎力を高めて行けばいいですか?どうすれば成長するのですか?」という質問を受けます。
人それぞれ、備わっている力の度合いやバランスが違うのですが、それでもこの社会人基礎力を上げるための鍵は結論「興味」だと思います。
12の力を高めるために必要なベースキーは「興味」なんです。
その湧き出た「興味」を深めるために傾聴のスイッチが入り、体験や調べるという行動へリンクしていく。もちろん思った結果が得られないこともあると思います。
それでも「興味」を失わず、視点を柔軟に変えてみる、そしてまた体験や調べるといった行動をループさせていく中で経験値が貯まっていきます。
たくさんの経験は新しい出来事に出会った時の引き出しになります。すなわち過去の経験や情報を新しい出来事に当てはめて想像できる幅が広がります。
さらに、経験や体験を掛け合わせて経験していないものを妄想し、想像と妄想から「創造」が生まれます。もしくは「課題が見えてくる」
そうなって初めて自分で主体的にやってみようという気持ちが高まってきます。
よく「主体性」は問われますが、私が人事でたくさんの方と関わってきて感じることは仕事においては驚くほど主体性を持って動ける人が世の中には少ないということです。
それはやはり「興味」がないからです。
働くことを興味を持って楽しめていない方はプライベートで主体的であっても仕事では全然主体性がありません。
話が少しそれましたが、その主体性を形にするため、計画したり、他の人と協働したりする必要性が出てきます。
最後はそれが実行される。
単純化するとこのようなループが日常で繰り返されていると思います。
興味が強くない状態で本を何冊読んでも意味がない
興味があって読んだり観たりしていると思いますので少し矛盾しますが、ただただスキルを高めたい、評価されたいという思いで例えば本当は大して興味もないのに教養を身につけるまとめ本やYouTubeの本の要約動画を見ても雑学は増えますが、社会人基礎力を高めるためにはあまり糧になっていないと個人的には思います。
それって擬似体験を増やしているだけです。
興味が弱いことの擬似体験は物知りな人と言って最初は思ってもらえますが、日が経つにつれ単なるうんちく野郎に成り下がります。
自分自身も最近までそんな面が多分にあったので偉そうなことは言えないですが、自分が深く情報を知っている分野について書かれているまとめ本や要約YouTubeを見て腹立たしく思うことってないですか。
じゃぁ、どのように「興味」を強くしていくの?
そう問いかけられそうですが、私はコーチングで本当の興味についてセッションをします。例えば「仕事」という大きな塊からもっと小さな塊でなぜ今の仕事をしているのか、そのオリジンに興味の強さのヒントがあると思いますので「お金」「地位」・・・・など塊をぶちぶちと小さくちぎっていきます。
そしてそれらを再びリンクさせていって大きな塊の形を俯瞰して見ていきます。
そうするとそれぞれの繋がりが太くなる(筋トレみたいなものですね)
結果興味が強くなっていくのです。
興味のありかがわかればやりたいことが見えてきますよね。
まとめ
今日は社会人基礎力を上げるためのキーは「興味」だということを書きました。
そして「興味」を漠然とした捉え方でなく、掘り下げてそれを強く思える状態にしなければもったいない時間を浪費し、またモチベーションも今一つ高まらないことになるのではないかとおもます。
このアイデアが皆さんの明日につながる「今」のヒントになれば幸いです。
本日もお読み頂きましてありがとうございました。