二度寝、遅刻、無駄遣い、後回し、そんなやめてしまいたい悪い習慣、変えたい習慣がありませんか。そしてわかっていながらそんな悪い習慣をなかなか改善できないことに悩んだり、あきらめたりしていませんか。今回はそんなやめたいと思う習慣に悩んだ時に無意識の力で改善へとつながるヒントとなることをお伝えしたいと思います。
なぜ悪い習慣を辞めることができないのか
自分のこの習慣はダメだなぁとか、「できればやめたい」と思っていてもなかなか修正できない、自分の気持ちの中でも「こんな自分はダメ」と意識しているのにやめられないのは何故でしょうか。
それは「無意識」が大きく影響しているようです。
無意識という言葉は一度は見聞きしたこともあるかと思います。
心は「意識」「無意識」「前意識」の3つの領域で構成されていると言われています。
意識が「顕在意識」無意識を「潜在意識」と呼ばれることもありますが、意識はその名の通り、自分が意識できる領域で無意識は自分では全く意識できない領域のことを指します。そして「前意識」とはこの中間的な場所で意思によっては意識化できる領域です。時々ふと忘れていたことを思い出すなどはこの前意識から意識へのシフトした状態です。
そんな意識と無意識ですがその割合は驚くほどの差があります。
よく氷山に例えられるのですが、意識は海面からいつも出ている部分、前意識は時折出たり出なかったりする部分、無意識は海面下の部分と言った具合です。
氷山はタイタニックのお話なんかでも事故のきっかけになりましたが、水面から見える部分はほんの少しで水面下にとても大きな部分が存在します。
それと同じで意識は脳の全体の3%〜5%くらいだと言われています。そして残りの97%〜95%が自分では意識できない無意識の領域です。(その中に少し前意識が含まれます)
そしてこの無意識の中で悪い習慣ややめたい習慣がプラスとして認識されているためなかなか改善したいと思っていても修正できないことがあります。
プラスという意味は例えば寝坊癖がある人がやめたいといつも悩んでいても、潜在意識の中では欲求が満たされているという判断です。無意識としては寝坊した方が「体のコンディションがいい」だとか、「気持ちがいい」といった欲求を満たしてくれると解釈しているので、意識下では一見マイナスイメージな行動や習慣も無意識レベルでプラスであり意味があるのです。また遅刻グゼがある人などは遅刻は迷惑をかけるので辞めたいと意識下では感じていても、無意識下では遅刻したことで注目を浴びることすなわち承認されているという本能的な快楽がインプットされているとなかなか習慣を修正できないのです。
無意識って困った存在!?
脳の大半を占めるこの無意識、そしてこの無意識のせいで悪い習慣も改善できないなんて、無意識は困った存在と思いたくなりますね。しかし、無意識とはとても大切な存在です。私達が今、呼吸したり、心臓やあらゆる器官を同時に動かし、生命を維持できているのは無意識がこれらをコントロールしているからです。
無意識は24時間休みなく働き続けていて、私達の本能や生理的欲求をコントロールしてくれています。そしてホメオスタシス(恒常性)といった体温を一定に保ってくれたり、病気や体にとってリスクと感じる時に正常を保とうとしてくれたりするのも無意識なんです。
また一方、勉強しようと思っていたのにいつの間にかスマホを触ってしまっていた、なども無意識が影響しています。逆にうるさい騒音がする場所で勉強に集中している時には全くその音が聞こえなくなっている場合などは無意識の中に入り込み作業をしているとも言えます。
そして無意識には過去の思い出したくない恐怖や怒り、悲しみ、ショックなどの体験は詳細は記憶から失われても、実はこのような抑圧された体験は無意識にしっかりと格納されていたりします。
こうしたマイナス感情が「うつ」や「トラウマ」を引き起こしたり、何かのきっかけで噴出し、暴走した行動に出たりしてしまうこともあります。
しかし、決して無意識はネガティブなことだけを脳にしまい込んでいるのではありません。好きという感情やこうしたい、挑戦したいと思う本音などポジティブなことも同じくしまい込んでいます。夢中になった時や集中した時に想像以上の力を発揮できるのもその無意識の力によるものです。他にも危険な状況時に覚醒してすごい身体能力を発揮したりするような潜在能力と言われるのも無意識によるものです。
無意識と仲良くなれば習慣は改善できる
さて、そうなると意識できない無意識と仲良く慣れれば直したい習慣を修正することができたり、さらに自分の夢や希望を実現までできる力を手に入れられそうです。
しかし、そもそも意識できない無意識とどうやって仲良くすればいいのでしょうか。
相手と仲良くなるためにはたくさん相手を知ること。
もう少し無意識について知る必要がありそうです。
先ほどホメオスタシスという言葉を書きました。これは恒常性と呼ばれ、心拍数や血糖値など生理的状態が一定に保たれるように無意識がコントロールしている無意識の大きな役割の一つです。
このホメオスタシスは身体的な状態のみに機能しているだけではありません。
心理的な状態にも同じくホメオスタシスは働きます。
つまり、人が急に危険な行動をとって生命の危機だと感じた場合はその行動を抑制したり、修正したりもする働きがあるということです。
例えば急なダイエットが続かないのもそんなことしたら「栄養失調で命が危険!!」と無意識が働き、辞めたほうがいいと心を意識とは逆の方向へ持っていこうとすること。
何か資格を取ろうと勉強し始めたりすると、「寝不足になって今までのいいコンディションが崩れる!!」と無意識が判断し、やめろ、やめろと働きかけるといった具合です。なので三日坊主や続かないといった結果になってしまうのです。
悪い習慣を修正しようとする働きも同じ原理です。今の状態が安全な状態、生きていく上でバランスの取れた状態なんだよと無意識が判断していると意識下では辞めたいと思っていながら全然治らないのです。
「それじゃぁもう意識して頑張っても無意識がそんなんじゃ何も変わらないじゃん」
そう思いたくなりますよね。
無意識に変わってもらいましょう。
実は無意識は現実と仮想(擬似)の区別がないと言われています。
つまり、それが事実なのか、演じられたドラマなのか区別しないのです。
過去の繰り返しをパターンとして記憶してその状態を維持しようとしているだけだったりします。すごくまじめなんです。
だったら、変わりたいと思う理想の自分を演じて見てもらえばいいです。
それも何度も何度も、無意識の中で一定のデータとして蓄積するまで何度も何度も。
そうすればそれ現実と区別しない無意識がその状態を維持しようと働き始めてくれるのです。
自転車の練習、ピアノの練習、自動車の運転など、初めはいっぺんにあれもこれも出来なくて泣いたりもしたかも知れませんが、いつの間にか上手にできるようになっていますよね。
自動車の運転で例えるなら免許をとって乗り馴れた時には別にハンドルを切って、アクセル踏んで、なんて考えなくてもお友達と会話しながら楽しく運転できますよね。
同じことなんです。
繰り返し、反復練習。
それが現実じゃなくてもいいです。擬似的でも演じていても。
資格の勉強を継続したいならまずは机に座ってみるを繰り返すとか、教科書を開いてみるなど。
大切なのは徹底的に演じきることが大切なんです。
無意識の抵抗に打ち勝つまでは反復練習です。
そしてそのためにはブレずにどれだけイメージを固めて演じ続けることができるかがポイントになります。
なりたい自分を明確にイメージできないままではキャラがブレてしまい似て非なる者として無意識には継続的なインプットとはなりません。
なりたい自分をイメージすること
さて、ブレずになりたい自分をイメージするために大事なことはなんでしょうか。
それは「ならなければならない」ではなく「なりたい!!」ということです。
痩せなければならないではなく痩せてあんな服を着てみたい。
資格を取らなければならないではなく資格をとって〇〇になりたい。
考えるだけでわくわくする必要があります。
最初はなんだか違和感があると思います。でもそれは当然です。だって無意識が蓄積したデータの中に「あなたはこういう人間なんだから」「これがあなたにお似合いなの」「あなたには無理よ、今までもそうだった」といった信念となって存在しているから。
それでもやっぱり変わりたい。
そう思うのが人。
まずはなりたい自分を演じることを小さくてもいいので初めてみませんか。
そしてそんな時に茶化されたり、冷やかしたりするような環境から離れた場所で少しづつ始めるのがいいかなと思います。
よく自分を変えたければ、友達、場所、環境を変えるのが一番と言われますよね。
大学進学、就職など人生の岐路を機に変えるという手段もありますが、現状の生活の中では流石にそれはとても勇気のいることです。
特に友達や人脈を整理するなんて怖いですよね。
でも、新しい自分を演じるために新しい人脈や場所、環境が必要なのであれば、まずそちらの世界へのシフトチェンジもいい手段かも知れませんね。
まとめ
今回はやめたい習慣に悩んでしまった時のヒントとして無意識を中心にお伝えしました。無意識の仕組みを知れば、自分を変えるきっかけになるかなと思います。
こういったのはのめり込み過ぎるとなんだか怖いなと思われる部分もあると思います。
それもホメオスタシスですから。
それに「洗脳」とはいいイメージの言葉としてインプットされていませんよね。
確かに他力で自分を変えようとするならば危険なこともあるかと思います。
しかしまずは自分の中で意思を持ち、行動して、反復練習をすることだけでも、新しい自分へシフトチェンジできたり、やめたい習慣を修正できるかも知れません。
本日もお読みいただきましてありがとうございました。